介護業界を代表する職業といえば、介護福祉士、ホームヘルパー、ケアマネージャーの3つが挙げられるでしょう。そのうち、介護福祉士とホームヘルパーのことを一般的に「介護職」と呼んでいます。そうなると「介護職とケアマネージャーは何が違うのか?」という疑問が出てきます。実は、この2つは同じ介護系の職業ですが、仕事内容はまったく異なります。

簡単にいえば、介護職は介護施設で実際に介護サービスを提供することを仕事にしているのに対して、ケアマネージャーはそうした介護職の仕事内容を決める役割を担っています。介護保険制度に基づいたうえで、介護を必要としている人たちのケアプランを作成するのです。介護職は、このケアマネージャーが設定したケアプランに基づいて、適切な介護サービスを提供することになります。

ですから、ケアマネージャーは原則として介護サービスそのものを行うことはありません。これが介護福祉士・ホームヘルパーを同じ「介護職」として扱う一方で、ケアマネージャーと分けて考えられている理由でもあります。なお、ケアマネージャーになるためには、医療・福祉系の資格を保有していることが前提で、その中には介護福祉士も含まれます。ですから、介護福祉士がケアマネージャーとして仕事をするというケースもあります。

先程「原則としてしてない」と書きましたが、状況によっては介護職がケアマネージャーの両方の仕事を行うケースも起こりえます。規模の大きな介護施設で、こうしたケースがしばしば見られるようです。また、介護職のキャリアアップの選択肢として、ケアマネージャーが挙げられることもよく見られます。