要介護者の生活に深くかかわるケアマネジャーの仕事は、専門職としての倫理性が求められます。ケアマネジャーが常に心掛けるべき基本倫理として、まず基本的人権と個人の尊厳があります。資本主義社会においては、生産性というものが求められがちですが、要介護者の尊厳を守ることができるかはケアマネジャーの姿勢によるところが大きいのです。ケアマネジャーは人権に関する知識を持つこと、その価値観を態度で示すことが求められます。
「自立支援」は、介護保険制度において重要な理念です。この理念を発揮させるためには、利用者の主体性が大切になります。利用者が主体的に介護サービスを選択するには、情報を知り、理解し、考え、選択するというステップを踏む必要があります。
一般的に、利用者は必要な情報をケアマネジャーから得ることになりますが、この利用者の主体的決定の最初のステップであるケアマネジャーからの情報提供は、その利用者にとって有益な情報であるかというのは非常に重要な要素となります。この点を常に意識していくことが、利用者の主体性発揮につながるのです。
ケアマネジャーに限った話ではありませんが、法令遵守の精神はケアマネジャーにとっても大切です。ケアマネジャーが専門職として社会的責任を担う立場であることを考えれば、倫理だけでなく法的問題に対する配慮も当然求められます。ケアマネジャーに関する法律には、介護保険法をはじめ、高齢者虐待防止法、個人情報保護法などの法律があり、これらの法律についてはしっかりと遵守していかなければなりません。